グラッパは、ワインを造るために搾ったブドウのかすを蒸留することによってできるリキュールです。イタリアでは、グラッパは寒い日に体を温めるために飲んだり、食後酒として親しまれています。果皮を熱し、それを冷却によって液化して造られるグラッパの歴史は10世紀頃まで遡ります。その頃、上流階級ではワインやブランデーが主流で、グラッパは搾りかすで造った一番安上がりで手っ取り早く酔える酒の代表として農民たちに親しまれていました。当時は、荷車に手製の蒸留器をのせて、ブドウの搾りかすからグラッパが造られていました。現在では、その品質は改良され、品種の個性や味わいを出すために、単一種のブドウから蒸留されるものや木樽で熟成させることで香りや味わいに複雑味を加えた高級品もあります。
できたての搾りかすは、栄養も豊富なため、バクテリアや細菌類、そして酸化の影響を受けやすく、しっかりした保存を怠ると、酢酸やメチルアルコールを作り出し、グラッパの香りに重大な欠陥をもたらします。良いグラッパは、良い搾りかすから造られます。SIBONAでも、蒸留所に届いた搾りかすをすぐさま蒸留することで、その品質を保っています。